下水道コラムvol.8~下水道と生活リズムの関係~

私たちが衛生的で快適な暮らしをするためには下水道が必要不可欠です。

生活に密接に関係する下水道ですが、そこから私たちの生活リズムを垣間見ることができるのはご存じでしょうか?

今回は、私たちの生活リズムと下水流入量の増減の関係を見ていきましょう。

基本的な下水流入量

上のグラフは下水処理場への流入量を表しています。(データは2月上旬の約1週間分)
日によってバラつきはありますが、なんとなく規則がありそうなのは分かりますね。

下水は地下を人が歩くよりも少し早いスピードで流れています。
なので、家から排水された下水が処理場に到達するまでにある程度の時差があります。(1時間前後)
それを踏まえて分析していきましょう。

朝方

深夜から朝にかけて落ちてきた流入量が8時頃からドーンと増えて、11時頃ピークを迎えます。

これは、朝起きてトイレに行ったり朝ご飯の支度をするためです。
朝の支度が終わったら洗濯や掃除が始まるので、お昼に向けて一気に下水の流入量が増加します。
昼食の準備も流入量の増加に拍車を掛けていますね。

お昼

昼の12時頃になると、昼食中で水を使わなくなるのか流入量がガクッと減少します。

工場などの水を大量に使う事業場が昼休憩で止まるのも要因のひとつと考えられています。

日中

昼からじわじわと流入量が減少し続け、16時から17時頃に午後の最低流入量になります。
そこから、夕飯の準備やお風呂タイムが始まるので再び流入量は増加を始めます。

夕方からジワジワと上がり続けて流入量は21時から22時頃にピークを迎えます。

19時から20時頃にご飯を食べて、21時頃にお風呂に入り、22時に向けて排水する・・・
そんな生活リズムが読み取れますね。

下水は処理場にすぐ流れてくるわけではなく、上流(山の方)から順番に、
ゆっくり流れてくるため0時過ぎに一気に減るということはありません。
なので、朝に向けてゆっくりと流入量は減っていく。これが1日のサイクルです。

特殊なパターン

雨天

神奈川県の流域下水道は分流化が進められていますが、一部の区域は合流式であったり、分流式でもマンホールの隙間から雨水が入ってしまったり、誤接続されている場合もあり、雨水の流入を完全に止めることはできません。

そのため、雨天時には晴天時と比べて流入量が増加する傾向にあります。

上表の場合は、昼過ぎから雨が降り始めて、14時から15時頃に降雨のピークを迎えて、18時には止んだことが読み取れます。
雨が止んでもしばらくの間は雨が流れ込むため、若干高い流入量が続きます。

サッカーや野球中継のある日

1時間単位のグラフでは表すことができませんが、リアルタイムで流入量を監視していると
サッカーや野球のクールタイムの後にはトイレに行く人が多いのか、流入量がわずかに増加すると言われています。