下水道コラムvol.12~同じ設備がたくさん?~

下水処理場は、ほとんどが同じ設備で構成されている。

下水処理場について調べて、様々な処理場の解説を見ていると大抵の場合は、
沈砂池(汚水ポンプ)から始まって最初沈殿池、反応タンク、最終沈殿池、消毒設備を経て海や川に放流されると説明されているかと思います。

下水処理の方法はほぼ確立されていて、数ある方式の中でもメジャーな『活性汚泥法』には上記の設備が必要不可欠です。

そのため、ほとんどの処理場には同じような設備が設置されています。

他の処理場と違うところはあるの?

同じような設備で構成されている水再生センター(下水処理場)ですが、当然、他の処理場との違いもあります。

設置されている設備の種類は同じでも、その数が処理場によってまちまちです。

汚水ポンプを例に挙げると、地域によって要求される揚水能力に応じて適切な台数のポンプが設置されています。
※人口の多い地域や合流式の処理場は大きい揚水能力(処理能力)が求められる。

複数設置されているポンプも全て同じ大きさでは無く、時間による流入量の変化に対応できるように
小さいものから大きいものまであり、必要に応じて切替えて運転しています。

また、機械設備は定期的なメンテナンスや修理が必要なため、
運転していないポンプは予備機としての役割も持っています。

「メンテナンスのため揚水できません!トイレを使わないでください!」となってしまうと大変ですからね。

大切なライフラインを担う水再生センターですから、
止まっては困る大切な機械は2台以上設置していざという時に備えています。

同様に電気設備も、重要度に応じて2系統設置されているよ!

かなりゅー
かなりゅー

最初沈殿池(水処理設備)がたくさん!?

冒頭でも触れたように、水再生センターには沈砂池から消毒設備までの設備が揃っています。
さらに、水処理の心臓部である最初沈殿池から最終沈殿池までの一組を1系列として、それがいくつもあります。

沈砂池(汚水ポンプ)を出た汚水は分水槽と呼ばれる設備で各系列に振り分けられます。

こうしておくことで、躯体の修繕を行う際でも1系列分を停止して、残りの5系列で下水処理を継続することができます。
※腐食性ガスによりボロボロになってしまったコンクリート構造物を復活させる

処理場の説明で使われているこのような略図からは読み取れませんが、
実は最初沈殿池、反応タンク、最終沈殿池はたくさんあるんです・・・!
そして、それぞれの沈殿池には汚泥を引き抜くためのポンプが2台ずつ・・・

最初沈殿池ひとつ取っても、学校のプールくらいの広さがあるので、
それがいくつもあると考えれば広大な敷地が必要になるのも納得ですね。

はるか先まで続く反応タンク

今回のポイント

  • どの下水処理場にも同じような設備がある
  • 処理場によって設置されている機器の数や大きさが違う
  • 最初沈殿池や反応タンク、最終沈殿池で一組となり、それが複数設置されている。