下水処理場の敷地内には処理工程に応じた建物がいくつも建っています。
さらに、処理場に至るまでの下水管渠や道路上に埋設されているマンホールまで。

基本的にはコンクリートで作られているそれらは、神奈川県の流域下水道が供用開始した昭和48年※最古のものから休まずに下水処理を支えています。

下水中から発生する硫化水素ガス(硫酸)は機械の金属だけでなく、コンクリートも腐食させます。

アルカリ性のコンクリートは、酸性の硫酸に触れることで中和して中性になります。
そうなるとコンクリートはスカスカな状態になり、脆く崩れやすくなってしまいます。

中性化して脆くなったコンクリートを削り取り、新たに耐硫酸性モルタルで表面を修復し、腐食性のガスに晒さないようにライニングを施すことで、躯体設備※建築構造物、建物のことを健全な状態に戻します。

また、道路上に埋設されているマンホールも車やトラックに踏まれて周囲の舗装がひび割れたり、表面が摩耗して凹凸が減ってスリップの原因となってしまうため、そういった物も補修しています。

マンホール周辺の凹凸は車や人が通行する際の妨げになるのはもちろん、騒音などの問題にも繋がるため発見したら速やかに補修の手配を行っています。

機械設備や電気設備は躯体設備の上に設置されており、下水処理を適切に行うには健全な躯体が必要不可欠です。
そんな土木設備(躯体や管渠等を総称して)を守るのが私たち土木職の仕事です。